魔女の一撃

”魔女の一撃”と呼ばれる由来とは?

通称『魔女の一撃』とも言われる、ぎっくり腰。一度ぎっくり腰になるとあまりにも強烈な痛みが突然襲ってくるので、その理不尽さはまるで魔女にでも襲われたかのようなものである、という意味合いでぎっくり腰は『魔女の一撃』と言われているんですね。

魔女と言えば日本とはあまり縁がなくて西洋の歴史上に出てくる人物なので、日本でぎっくり腰のことを魔女の一撃と呼ぶのは違和感を覚える人もいるかもしれません。

しかし、ぎっくり腰は日本だけでなく世界共通で人々を悩ませている病気で西洋の人たちも同様にぎっくり腰に悩まされる人は多くいます。『魔女の一撃』とは西洋人でぎっくり腰に悩まされた人たちが考えた言葉で、それが日本にも伝わってきたということなんですね。

ぎっくり腰のことを魔女の一撃と最初に言い始めたのはドイツで、ドイツ語で魔女の一撃は『Hexenschuss』読み方は「ヘキセンシュス」と言います。
『Hexe』が魔女、『Schuss』が一撃を意味していて合わせて『魔女の一撃』となります。

すべては魔女の仕業?!

魔女狩り

しかし、なぜぎっくり腰が魔女と結びついたのか?!確かにぎっくり腰の急激に来る強烈な痛みは、この世のものではない何かの仕業かと疑いたくなるほどですが、どうして魔女の仕業としてとらえられてしまったのか?!

それは最初に、ぎっくり腰のことを魔女の一撃と呼び始めたドイツの歴史に原因があります。
ドイツをはじめ15~16世紀のヨーロッパ諸国で”魔女狩り”というものが流行していました。

元々はキリスト教(カトリック)に背くものを裁くための異端審問裁判があって、その延長上でキリスト教にとって不都合になる人を”魔女”に仕立て上げて処罰いていくという魔女狩りです。

魔女狩りが頻繁に行われるようになると、本来魔女とは全く関係のない感染症や飢饉などもすべて魔女の仕業を考えるようになりました。自分にとって不都合なことや理解の及ばないことはテキトーな理由をこじつけて何かのせいにするということがまかり通っている時代だったのです。

この時代は何かにつけて不都合なことは魔女のせいに仕立て上げて魔女を恐れるようになりました。そんな時代にぎっくり腰の急激に強烈な痛みを『これは魔女の仕業に違いない!』『魔女の一撃をくらったからこんな理不尽な痛みを味わっているんだ!』と言い始めたことが、ぎっくり腰を魔女の一撃と呼ぶきっかけになりました。

それ以来ドイツでは、ぎっくり腰のことを魔女の一撃と言う風習が広まっていき、それが隣国にも伝わっていきました。例えばイタリアでもぎっくり腰のことを魔女の一撃(イタリア語でColpo della strega)と言うようになりました。その後アメリカにも伝わり、ぎっくり腰のことを魔女の一撃『Witch’s shot』と言うようになりました。

ぎっくり腰の恐怖は世界共通

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ぎっくり腰のことを魔女の一撃と表現することがヨーロッパだけでなくて、海を越えてアメリカや日本にも伝わってきたことを考えると、ぎっくり腰の恐怖に悩まされる人は世界中でたくさんいるんだなと分かりますよね。ぎっくり腰に悩まされる人がいなければ、魔女の一撃という表現が広まっていくことは無いでしょうから。

理不尽なまでのぎっくり腰の急激に来る強烈な痛みを表現するのにピッタリくる言葉である『魔女の一撃』は、ぎっくり腰になったことのある人たちなら直ぐに腑に落ちたのだと思います。

ぎっくり腰という名前がついてるから、どこか日本っぽい表現なので日本人特有の病気なのかと思いきや、ぎっくり腰は魔女の一撃といったように表現の仕方は違っても世界共通で恐れられているんですね。

日本ではなぜ”ぎっくり腰”と言うのか?

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一方日本でも魔女の一撃という言葉は伝わってきていますが、やはりぎっくり腰と言う方が多いですし、”魔女の一撃”と”ぎっくり腰”はどちらも正式な医学用語ではないのですが”ぎっくり腰”と言った方が伝わりますよね

では、なぜ日本では”ぎっくり腰”と言われるようになったのでしょうか?
それはぎっくり腰が突然襲ってくるものだから、びっくりする!ということから最初は”びっくり腰”と言われていたそうで、そこから訛って”ぎっくり腰”と言われるようになったと言われています。

”魔女の一撃”で通じるのか?!

ここまでお話ししてきたようにぎっくり腰のことを魔女の一撃と言うのは世界中で伝わっているのですが、実際にぎっくり腰になってお医者さんにかかる際に、『HexenSchuss』とか『Witch’s shot』と言っても伝わるのか?という疑問がありますよね。

”魔女の一撃”も”ぎっくり腰”と同様にあくまで俗称であって医学用語ではないので、腰の状態を適切に伝えることには言葉足らずになってしまいます。なので、お医者さんにかかるときは魔女の一撃という言葉は使わずに、腰にどんな痛みがあるのか?(例えばズキズキなのか、ジンジンなのか)とかどういった場面で腰を痛めたのか?(例えば重いものを持ち上げた時に痛めたとか)といった腰の症状に関する情報を伝えられると良いでしょう。

海外でぎっくり腰になったら?!

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魔女の一撃だけでは正確に腰の状態を伝えるのは難しいので、海外でぎっくり腰になってしまった時に使える言葉をいくつか覚えておいた方が良いですよね。

そこで、英語で腰の痛みや腰の状態を伝えるフレーズをいくつか紹介してきます

  • 一般的な急激にグキッと痛むぎっくり腰の症状ならば英語で『a strained back』
  • 腰をひねるような形で痛めた場合は『Lumbar sprain(腰の捻挫)』
  • あるいはヘルニアを持っている人は『slipped disk(椎間板ヘルニア)』

と伝えたほうが正確に早く、腰の状態を伝えられます

また擬音語で痛みを表現したいときは

  • ズキズキ⇒『I have a throbbing back pain』(背中・腰がズキズキ痛みます)
  • ジンジン⇒『painful tingle』(じんじんとした痛み)

といった表現が使えるので、参考にしてみてくださいね