ぎっくり腰の仕組みに深く関わる筋肉ロック

ぎっくり腰とはどんな時に起きる?

ぎっくり腰になると激しい痛みを伴うことも特徴的ですが、ではその時腰の内部はどのような状態になっているのでしょうか?

ぎっくり腰の程度が重い・軽いによっても差はありますが、多くの場合、筋肉や靭帯の一部が損傷(部分断裂)していたり、それによって内出血や炎症を起こしていると考えられます。

ただ、とても健康だった腰が突如としてぎっくり腰になるというケースはあまりありません。痛みは突然訪れたとしても、そこに至るまでに腰への負担を徐々に抱えていたと考えるのが自然でしょう。

その「腰への負担」というのが、ぎっくり腰になる仕組みに大きく関わる「筋肉ロック」です。ぎっくり腰の仕組みを理解してもらうために、まずは「筋肉ロック」とはどのような状態かを知ってください。

 

筋肉ロックとは筋肉が収縮したままになること

「筋肉ロック」とは聞き慣れないかもしれませんが、これは医学的に正式にある言葉ではありません。今回はぎっくり腰の仕組みがわかりやすく伝わるように「ロック」という言葉を使います。

ではここで、車のシートベルトを想像してみてください。シートベルトをした状態で瞬間的にベルトをグッと引っ張ると、ベルトはカチッと止まりロックしますよね。あのベルトの仕組みが筋肉にも起こるということです。

他の例として、誰かに急に腕を引っ張られたら、引っ張られるままになるのではなく反射的にグッとこらえますよね。それも筋肉をロックさせている体の反応です。

つまりロックとは、「筋肉が反射的に収縮して動かなくなる」という体の無意識な反応なのです。

 

筋肉がロックしてしまう仕組みとは?

筋肉ロックが起こる仕組みを正式に言うと、「伸張反射」です。この伸張反射というのが、筋肉がカチッと固まってしまう状態のことをいいます。

筋肉の中には筋紡錘(きんぼうすい)という筋肉の長さを感知する装置が備わっています。もし筋肉に急に力が加わったり急に引き伸ばされたりすると、この筋紡錘が危険を察知して「それ以上ダメージを受けないように」筋肉をギュッと収縮させて動かなくするのですね。

これが伸張反射の仕組みです。

ストレッチを例にするとわかりやすいかもしれません。ある筋肉をゆっくりゆっくりストレッチしていけば、筋紡錘は危険を感じないため伸張反射は起こりにくくなり筋肉は無理なくストレッチされます。

しかし、勢いをつけたり急に筋肉を伸ばそうとしたりしては、筋紡錘が危険を察知して伸張反射を起こして筋肉を収縮させてしまいます。ストレッチしたいのに、反対に筋肉は縮んでしまうということです。

つまり、伸張反射で筋肉が縮まるということは「それ以上筋肉がダメージを受けないために備わっている体を守るための反応」なのです。

では、次項目から伸展反射を再び「筋肉ロック」と呼び、ぎっくり腰になる仕組みを解説します。

ミヤネおばさんミヤネおばさん

筋肉が固く縮んでいくのは体を守ろうとしているからなのよ!

 

ぎっくり腰になる仕組み

「腰の筋肉がどんな時にロックしやすいのか」「筋肉ロックがどう影響してぎっくり腰になるのか」ということから、ぎっくり腰になる仕組みを解説します。

 

腰の筋肉はどんな時にロックしやすいのか

ぎっくり腰になる仕組みは腰の筋肉ロックからはじまります。腰に何らかの負担がかかると腰の筋肉がロックしやすくなりますが、その代表的な例は以下のようなものです。

 

・重いものを急に持ち上げた

・姿勢が悪い

・長時間イスに座りっぱなし

・偏った体の使い方が習慣化している

 

上記のようなことがあるたびに、腰の筋肉はそれ以上のダメージを受けないようにロックします。その後、ロックをしている腰にさらに負担をかけると、それ以上にさらに腰の筋肉はロック、つまり収縮を強めます。

腰田さん腰田さん

ぎっくり腰はただ重いものを持ったからなるわけじゃないんじゃな!

 

筋肉ロックを起こした時の筋肉の状態は?

ぎっくり腰になる仕組みには、腰の筋肉ロックが繰り返されることが大きな影響を及ぼします。では筋肉ロックが起こると、筋肉はどのような状態になるのでしょうか。

筋肉ロックで筋肉が縮むと以下のようになります。

 

・腰の筋肉が固くなる

・腰の血流が悪くなる

・腰が冷える

 

筋肉ロックを繰り返せば、腰の筋肉はどんどん固くなり、血流が悪くなり、冷えていくわけです。それでも腰への負担がかかり続ければ、いつかは「もうこれ以上縮めない」状態になることは理解できますよね。

それは、腰をダメージから守る作用が限界に達するということを意味しています。

この「限界」にあるときに、さらに腰に負担がかかることをしてしまうと、腰の筋肉や靭帯の損傷、炎症、内出血等を招きます。つまりぎっくり腰になってしまうということです。

 

筋肉ロックの繰り返しによってぎっくり腰になる仕組み

以下にわかりやすくぎっくり腰になる仕組みを示します。

 

1.腰に何かしらの負担がかかる

2.筋肉ロック(伸張反射)を起こす→さらに腰に負担をかけることを行う

3.腰を守るために筋肉はロックを繰り返す→腰の筋肉はどんどん縮んでいく

4.腰の筋肉が縮む限界に達したときに、また腰に負担をかけることを行う

5.筋肉組織が損傷しぎっくり腰になる

 

上記のように、腰への筋肉ロックが繰り返された末に、腰の筋肉組織の損傷に至るのが、ぎっくり腰になる仕組みです。

ミヤネおばさんミヤネおばさん

腰の防御反応が限界を超えるとぎっくり腰になってしまうわよ!

 

また、ぎっくり腰の予兆を察知したいという方はこちらの記事をご覧ください。

 

仕組みを知ってぎっくり腰を防ぐには

入浴

ここまででぎっくり腰になる仕組みをお伝えしました。では、仕組みを理解したらどうやってぎっくり腰を予防したら良いのでしょうか?

まず、理屈で言えば腰に筋肉ロックを起こさせるような負担をかけなければ良いといえますが、日常生活を送っている以上、負担をゼロにすることは困難です。

そのため次に考えられるのは、腰に負担をかけたらなるべくその都度ケアをするということです。筋肉ロックは腰の筋肉が収縮しているわけですから、「腰が固いな」「腰が突っ張っているな」と感じた時がケアを要するタイミングですよ。

腰のケアの例を以下に示します。

 

・重いものを持って腰を疲れさせたら、腰を休ませる

・長時間イスに座っての作業がある時は、途中で立ち上がったり歩いたりする

・姿勢を良くする

・日常的に歩いたり運動したりする習慣を持ち、入浴や質の良い睡眠をとり、腰のケアを心がける

 

これらのような腰へのケアを日頃行なっていれば、腰の筋肉が縮みきってしまうことは避けられるでしょう。

腰田さん腰田さん

腰をまめに労わることが大事なんじゃな!

 

まとめ:ぎっくり腰を予防するには仕組みを知って早めの対処を!

今回は、ぎっくり腰になる仕組みをお伝えしました。おそらく多少の筋肉ロック自体は避けられないものですが、よりまめに腰のケアをすることで、ぎっくり腰は高い確率で予防できるでしょう。

例えば、1週間腰を酷使して休みの日になったら1日腰を休めるようなケアの方法はあまりおすすめしません。それよりも、その日の腰の疲れはなるべくその日のうちにケアすることがダメージを最も小さくします。

ぎっくり腰になってしまってからそれを治すのは、ぎっくり腰予防に努めることよりも何倍も大変ですよ。

ぜひ「仕組み通り」にはぎっくり腰にならないように、日々の腰のケアを習慣にしてください。

 

また、ぎっくり腰予防のためのストレッチを知りたい時はこちらの記事をご覧ください。